米 国防総省は五日、リビアとソマリアで対テロ軍事作戦を実行したことを明らかにした。リビアでは、一九九八年にケニアとタンザニアで発生した米大使館爆破事 件への関与を疑われる国際テロ組織アルカイダ幹部アナス・リビー被告(49)を拘束。ソマリアでは、九月にケニアのショッピングモールを襲撃したイスラム 過激派組織アルシャバーブの拠点を急襲した。
米メディアによると米軍は五日、中央情報局(CIA)との共同作戦で、リビアの首都トリポリでリビー被告を拘束した。国防総省は声明で「対テロ作戦の結果、米軍が国外の安全な場所で被告を拘束している」と確認した。
同被告は爆破事件に関与したとして、拘束されないまま二〇〇〇年にニューヨークの連邦裁判所で起訴されていた。米当局は、同被告に五百万ドル (約四億九千万円)の懸賞金をかけて追跡してきた。拘束は、一一年のアルカイダ指導者ビンラディン容疑者殺害などに続く米軍の対テロ作戦の成果となった。
リビア作戦の数時間前、米海軍特殊部隊SEALS(シールズ)は、ケニア・ナイロビのショッピングモール襲撃事件にからみ、ソマリア南部にある アルシャバーブの拠点を襲撃した。国防総省当局者によると、攻撃はアルシャバーブの指導者を標的に行われ、米軍は組織の数人を殺害したが、身元を確認する 前に撤退した。
ニューヨーク・タイムズ紙によると、シールズはインド洋から首都モガディシオ南の港町近くに上陸し、未明に攻撃を開始。激しい銃撃戦になった。
同紙は二つの作戦がほぼ同時に行われたのは「偶然」とする米当局者の説明を伝えながらも、一方の作戦を先行させた場合に他方の標的が逃亡する懸念から作戦が同時に行われた可能性を指摘した。
<米大使館爆破事件> 1998年8月7日、ケニアの首都ナイロビとタンザニアのダルエスサラームの両米大使館で同時爆破テロが発生。米司法当局 の調べでは224人が死亡、5000人以上が負傷したとされる。米国は国際テロ組織アルカイダが関与したと断定し、容疑者の行方を追っていた。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2013100702000120.html

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