【ヌ サドゥア(インドネシア)舟崎雅人】自民党の西川公也環太平洋連携協定(TPP)対策委員長は6日、コメや乳製品など重要5農産物について「(聖域の対象 から)抜けるか、抜けないかを検討する」と述べ、重要5農産物の一部も関税撤廃の対象にする考えを明らかにした。これまで自民党は5農産物の関税維持を政 府に求めており、TPPに関する同党の取りまとめ役である西川氏が初めて方針転換の考えを表明したことで、慎重派議員や農業団体から強い反発を招きそう だ。

TPP交渉の会合に合わせて訪れたインドネシア・バリ島で甘利明TPP担当相と会談後、記者団に答えた。

西川氏は交渉の年内妥結に向けて党内調整を加速させる必要があるとした上で「(貿易品目で)586ある重要5農産物について、どんな小さな状況も勘案しない姿勢をとり続けられるのか」と述べ、5農産物すべてを関税撤廃の対象から外すことは難しいとの見方を示した。

政府は自由化率を平均80%台前半に抑えた関税撤廃案を各国に提示したものの、ニュージーランドなど完全自由化を示している国から「低すぎる」 と反発を受けた。8日に予定している首脳会合での「大筋合意」を受け、90%台への引き上げに向け調整を本格化させる方針だ。自由化率を上げるには5農産 物の聖域を守った場合の93・5%の水準を超えるかどうかが焦点となる。<北海道新聞10月7日朝刊掲載>

20131007085958