人民文学出版社はこのほど、「文潔若氏が語る松本清張と文学」の座談会を北京で開催し、文潔若氏が翻訳した松本清張シリーズの「日本の黒い霧」と「深層海流」改訂版の出版を発表した。「信息時報」が伝えた。
翻訳者の文潔若氏は日本の文学作品を最も多く翻訳している中国人翻訳家で、中国読者には井上靖、川端康成、松本清張、三島由紀夫などの小説の翻 訳者として広く知られている。今回の座談会では、文潔若氏が日本文学の特徴と松本清張個人の経歴などを結び付けて詳しく論述する形で進められ、文学の視点 から「日本の黒い霧」と「深層海流」の文化的な意味を分析した。
「日本の黒い霧」は第2次世界大戦終結後1945年から1952年までの日本が米軍に占領された7年間に日本で起こった10の事件とその背景を 描いており、「深層海流」は「日本の黒い霧」の続編とも言える。松本清張は、この2作品で1963年の第5回日本ジャーナリスト会議賞を受賞した。
文潔若氏は、松本清張氏の小説に描かれている事件は日本や中日関係ひいては世界全域の多くの事柄に直接的に影響を及ぼしていると考えている。こ の2作品を読めば第2次世界大戦後から今に至るまでの数十年間の状況が理解でき、今なお現実的な意義を持ち続けているという。(編集MZ)

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